15歳のラビリンス


そういう事で普段、動じない彩乃でさえ言葉を失ったくらい。


何も変わってない…そう思ったばかりだったけれど、ジンはやっぱり変わってしまったんだろうか…?


それとも、そんな部分があるって事を知らなかっただけ?



ジンは金色に染まった髪をぐしゃっとかきあげると、バカにしたように鼻で笑った。



「…受験生って一分一秒無駄にしちゃいけないんだろ?さっさと帰れよ」


「仁哉にだけは偉そうに言われたくないし!あー心配して損した。美織、かえろっ!」


「…うん…」



彩乃が私の腕をつかんで、クルッと回れ右をした。



「増田は来なかったのか?」



家に向かって歩き出した時、後ろでジンが問いかけてる声が聞こえてきた。


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