15歳のラビリンス
始業式の日から10日あまりたつけれど、カンナと私の距離は相変わらず。
カンナが話しかけてくる事はなかった。
私が悪いっていうのはわかってる。
ジンと仲良くするカンナに嫉妬してこんな態度をとっちゃったわけだし。
彩乃の件は私にとってまた別の話だしね。
「美織ちゃん」
音楽室に移動途中、こうちゃんに声をかけられた。
ジンの姿はそばになく、ガッカリしたようなホッとしたような複雑な気持ちになる。
「体育祭、どっちの組になった?」
「私も彩乃も紅組だよ。こうちゃんは?」
「俺は白」
「んじゃ、敵だね。やっつけてやるから本番覚悟しなよ?」
私が笑いながら言うと、こうちゃんは苦笑した。