15歳のラビリンス
自由曲が決まった後、課題曲の練習をパート事に分かれてする事になった。
席を立ち、後ろの方に移動したソプラノのグループの方へ行く。
「美織ちゃん、何で近藤の教科書持ってるの?」
みんな教科書を手にしてオルガンのまわりに集まっていた。
私も混ざろうとしたら、オルガンのそばにいた千代ちゃんに問いかけられた。
その声で気づいてなかった他の子が私の持ってた教科書に注目する。
「ホントだ~。何で何で?」
「音楽の教科書なんて学校に置きっぱなしだから家に忘れるって事ないしねー」
「もしかして、美織ちゃんって村中と…」
サトルと…何?
すぐにそっちの方向へ話へ持って行きたがる。