15歳のラビリンス
「どうだっていいじゃん。それに、美織がサトルの教科書持ってるのも、さっき奴とぶつかって教科書落とした時に間違えただけだし」
怒った口調のカンナに千代ちゃん達は動揺してる。
元々、普段から怒ってるんじゃないかっていう表情をしてるカンナだから結構周りから怖がられてたってのはある。
私だってカンナと仲良くなる前は、気軽に話しかけていいものか迷ってたくらいだったし…。
「はいはい、練習練習ー」
空気を変えるようにカンナは偉そうに手をたたきながら他の人をうながした。
気まずさを感じていた他の人達は慌てたように教科書を開く。
「カンナ…?」
「…ごめん。さっきここ来る時に、サトルと美織がぶつかったところ見たから、我慢できなくて余計な事…」