15歳のラビリンス
涙のバトン
警告のような忠告を受けてから、サトルと接触する事はなかった。
学校でも塾でも顔を合わせても、何もなかったような顔をしてる。
一体、どういうつもりで言ってきたのか、本心が全くわからない。
「いよいよ明日だね、体育祭」
学校から帰る途中、彩乃がつぶやくように言った。
体育祭が終われば、その2週間後に中間テストがやってくる。
前回のテストの時は、ジンとまだ繋がりあったのにね…。
急に胸がきゅーんと締め付けられるように痛み出す。
今回は図書館にテスト勉強しに行く事はしないけど、家で勉強するとも思えない。
「…だってさ」
「…え?」
ひとりで考え事をしてる横で、彩乃はずっと私に話しかけてたみたい。
私が聞き返すと、ムッとしたような顔をした。