15歳のラビリンス


教室に入ると、私よりも先に来てる人は結構いた。


体育祭の日に早く来ちゃうのは私だけじゃなかったんだとちょっとホッとした。



早くからハチマキを頭に巻いて鏡でチェックしてる女子。


自分で購入してきたのか、手首に同じ色のハチマキを巻いてる人もいた。


女子の何人かはかたまって、腕にペンで何かを書きあってる。



「おはよう、美織」


「おはよ。何してんの?」



彩乃が私に気が付いて声をかけてきた。


そんな彼女は腕に白いペンで何かを書き込んでもらっている。



「これ?ジャーン」


「…」



白いペンで腕に『貴昭命』とか書いてある。


それを見て絶句したのは言うまでもない。





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