15歳のラビリンス


「つか、白組は向こうだろ?早く行けよ」


「わかってるってばー」



ジンがシッシと手首を動かすと、近藤さんはプッと頬を膨らませて答えた。


去り際にチラッと私を見る。



『近づかないでって言ったでしょ?!』


そう言いたそうな目で。



「ジン、あの…」


「なあ。お前、増田と仲直りしろよ」


「えっ…」



そんな事言われるとは思ってもみなかった。



カンナがジンの日常を知ってるように、ジンもカンナの事知ってるんだね。


そういうところまでカンナに嫉妬しちゃう。



カンナとジンは友達だからお互いの行動を知ってるのは当たり前なのかもしれないけれど。


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