15歳のラビリンス
「お前らあんなに仲良かったじゃん。あと半年で卒業なんだぜ?このまま気まずくしてたら絶対に後悔すると思う」
「…」
ジンはカンナの味方なんだね…。
カンナの片想いの事も当然知ってるはずなんだよね…?
「彩乃っちと増田の間で板ばさみになってるかもしれねーけど、増田の話も聞いてやってくんないかな?」
「ジンは何でカンナの事…」
「おいこら!早く整列しろ!閉会式始まるぞ」
話していたのに、先生が間に入ってきた。
私より先にジンが自分の列へと並ぼうと動く。
「…あ、美織」
「何…?」
急に名前を呼ばれてドキッとする。
ジンは私の手首を指差した。
「それ、受験もコケないお守りだからお前にやる」
「…え…?」
そう言うと、ジンは背を向けて行ってしまった。