15歳のラビリンス

見えない夢



体育祭が終わると、あっという間に秋は深まり、受験本番という空気が漂い始めた。


すでに志望校を決めた子はひたすら受験勉強。


アツシもその1人。


常に参考書を片手に、頭のレベルが同じ秀才君と一緒にいる事が多くなった。



私は何も変わってない。


志望校もまだぼんやりとしていて、受験勉強にも打ち込んでない。


私の周りが受験モードだけど、私1人がその波に乗れず、置いていかれたような気分。



学校だけではなく、家でも同じだった。


以前にも増して「勉強しなさい」という言葉が増え、ユウウツな気持ちが膨らんでいく。



私にあるのは、受験っていう重圧、ただそれだけだった。



< 249 / 338 >

この作品をシェア

pagetop