15歳のラビリンス


「美織、あなた志望校は決めたの?もういい加減に決めないと、目標がフラフラしてたら集中できないでしょ」



明日の準備をしてたら、急にお母さんが部屋に入ってきてそう言った。


手を止めて私は顔を上げる。



「あっちゃんはもう、A高校に決めて集中して勉強してるって言うじゃない。それに比べてあんたは…」


「あっちゃんあっちゃんうるさいな!私はアツシとは違うの!」


「同じクラスで同じ塾に行ってるのだから、あんただってやればできるでしょ?やらないからできないんじゃない」



やればできる…。


自分なりに頑張ってるのに、認めてくれないのはお母さんたちじゃん。



アツシと比べないでよ…!


中学入学当初は成績に差はなかっただろうけど、今じゃトップクラスとおばか組くらいの差なんだから…。



「私はやってる!」


「やってても結果がついてこないのならそれはやってるとは言わないの!」



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