15歳のラビリンス
「顔さえ見れば勉強勉強って…!そんな事言われるから私は…」
「言ってもやらないんだから言わなかったらもっとやらないでしょ?」
「たまには息抜きしたいよ!」
「息抜きするほど勉強してないくせに何バカな事言ってるの?!」
ああ、もうダメだ…。
何を言っても全て受け流されてしまう。
じわじわと涙が浮かんできたけれど、お母さんの前で泣きたくなかった。
泣いたら負けのような気がして…。
「もういいっ!高校なんか行かない!」
「美織!待ちなさい!」
お母さんを押しのけて部屋を飛び出すと、そのまま玄関から外へ出た。
追いつかれないように全力疾走する。
行くあてなんかあるわけがない。
だけど、家に帰るのは嫌だった。