15歳のラビリンス
どのくらい走ったんだろう?
息が切れて顔を上げると、私は図書館の前にいた。
どうしてここに来ちゃったの…?
ここはジンとの思い出がたくさんありすぎて、苦しくなるのに。
「はあ…」
肩で息をしながら見上げていると、涙がこぼれてきた。
「美織?」
涙をぬぐう事無く、しばらくそのまま図書館を見上げていたら、後ろから名前を呼ばれた。
カンナの声。
私はごしごしと袖で目をこすって振り返る。
「もう9時過ぎてるよ?こんな時間にどうしたの?」
カンナがケータイで時間を確認しながら不思議そうに聞いてきた。