15歳のラビリンス
カンナは塾帰りらしく、自転車にまたがっていた。
カゴの中には塾のカバンが入っている。
「カンナ…私…」
強引に止めた涙がまたボロボロと落ちてきた。
自転車をとめると、カンナは私の手を取る。
「よかったら話してくれない?何の力にもなれないかもしれないけれど」
涙で声にならなかった私は、その言葉に何度も何度もうなずいた。
「そっかー。お母さんとケンカしちゃったんだ?」
図書館の前から移動して、カンナと私は公園のベンチに並んで座っていた。
この公園はジンの家の近くの公園。
始業式の日にこうちゃんから、ジンが夏休み中に荒れてたって話を聞いた場所。