15歳のラビリンス
涙はやっと止まってくれた。
カンナに話した事でホッとしたのかもしれない。
「美織はどうしたい?まさか、本気で高校に行かないつもりじゃないよね?」
「…売り言葉に買い言葉でつい、カッとなって言っちゃったけど、高校へはちゃんと行くよ。でも、急に志望校を決めろって言われてもわかんない…」
「みんなそうだよ。急に言われても決められない」
そう言いながらカンナは立ち上がる。
そして私の方を振り返った。
「願書はまだ先だし、塾の模試の結果で自分の行けそうな高校を3つくらいにしぼればいいんじゃない?願書提出まで、とりあえずそれを目標にして勉強すればいいと思う」
「そっか…そうだね」
別に1つだけに決める必要はなかったんだ。