15歳のラビリンス
やっとカンナの本音が聞けた。
嬉しいけれど、その恋を応援する事はできない。
「カンナ、私は…」
「いい。私が勝手に好きなだけだから。美織は何もしなくていい。でも、時々、愚痴聞いてもらえたら嬉しいかも」
「…うん」
カンナは強い。
望みのない恋だというのに、決して人前じゃ弱さを見せない。
私なんか、いつもうじうじしてるというのに。
「…いつから貴昭のこと…?」
「いつだったかなぁ。でも、夏前には好きだったと思う」
夏前…。
じゃあ、夏祭りの花火の時、辛そうな顔をしていたのは、貴昭を見ていたからだったんだ…。