15歳のラビリンス
お母さんとケンカして、家を飛び出していなかったらカンナに会ってなかっただろうし、仲直りなんてしてなかった。
「…うん…」
「何かあったのか?お前がこんな時間に外に出てるなんて理由があんだろ?」
何でそんな事聞いてくるの?
だって、私の事なんてジンには関係ないじゃない。
前にジンが私に言ったように…。
「何で、そんな事聞いてくるの?ジンには関係ないじゃん…」
気にかけてくれる事は嬉しいのに、可愛くない事を言ってしまった。
ジンは深いため息をついて、自分の髪をぐしゃぐしゃとやる。
「仕方ねーだろ?気になるんだから。ほら、行くぞ」
プイッと背を向けてジンは歩き出した。