15歳のラビリンス


気になるとか…何でそんな事言うの?


私がどんな思いか知らないくせに…。



「で?何があったのか言ってみろよ。ためこまないで吐き出すのが一番だろ?」


「…お母さんとケンカしたの…」



私の家に向かって歩きながら、私は答えた。


前を歩いていたジンはクルッと振り返る。



「何で?」


「…将来の夢について」


「おお。んで、美織の将来の夢って何?」



真剣に話しているというのに、ジンは急にパッと楽しそうな表情になった。


私の将来の夢がそんなに気になる?



「…わからない。行きたい高校だってわからないのに、将来の夢なんて見えるわけない」



ギュッとこぶしを作って立ち止まる。


お母さんとケンカした事を思い出して、涙が浮かんできた。






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