15歳のラビリンス
「…行きたい高校が決まらなきゃ将来の夢も決まらないの?んなわけねーだろ。夢だよ、夢。たくさんあるだろ?」
「だから、わからないんだってば!見えてたらこんなに悩んでない…」
「オレ、サッカー選手。ガキの頃からずっと変わってない」
ジンが顔をキラキラさせてそう言った。
…サッカー選手?冗談でしょ?
「ほとんどサッカー部に出てないくせにサッカー選手なんて、なれるわけないじゃない…」
「なれるわけないって誰が決めた?オレはあきらめてねーよ?部活に出てなくてもなれるかもしれないだろ?…って、さすがに真面目にサッカーやってる奴に失礼か」
そう言ってジンは笑った。
そして私を指差す。
「お前は現実的に考えすぎなんだよ。夢くらい現実離れしてたっていいじゃん。なれっこないって、最初からあきらめてるからなれないんだろ?夢は見なけりゃ始まらないんだぜ?こんな単純な事もわかんねーの?」
「ジン、それって単純すぎ…」
「何で?夢ってそんなもんだろ?だから楽しいんじゃん。夢に向かって生きるのが」