15歳のラビリンス
難しく私が考えていただけ?
それとも、ジンが単純に考えているだけ?
「あ、そうだ。お前、文章書くの得意だろ?小説家になればいいじゃん」
「は?!小説家?!」
ジンの発言に私は驚いて声が裏返った。
彼は私を見てフッと笑みをこぼす。
「夢なんて途中で変わったっていいんだから、難しく考える必要ねーよ。まだ中学生だろ?それじゃいけないわけ?」
「そうかもしれないけど…」
「じゃあ、いいじゃん。あんまり難しく考えてるとハゲるぞ」
「え、ハゲ?!」
ジンに指摘されて私は慌てて頭を抑えた。
それを見たジンは声をたてて笑う。
「美織が頑張ってるの、オレは知ってるから。だから、今が辛くても乗り越えて欲しい。って、年下のオレが言っても説得力ないか」
「そんなことない!」
頑張ってるの知っていてくれるだけでいい。
誰もそんな事言ってくれなかったから。