15歳のラビリンス


しかも家を出てきたのも小言から逃げるようにしてきたから、帰ったら相当怒られるかもしれない……。


家に帰るのがユウウツになりながらも私は一生懸命に走った。



チリンチリンと後ろからベルの音が聞こえてくる。


道の真ん中を走ってるわけじゃないのに、むやみに鳴らさないでよっ!



「急いでんの?なら、オレの後ろ乗れよ」


「えっ?!あ……」



キイッと私を追い越して目の前でブレーキをかけて自転車を止めたのは仁哉君。


驚いて立ち止まると、彼は笑った。



「遠慮しないでどうぞ」


「あ、ありがと……」



< 27 / 338 >

この作品をシェア

pagetop