15歳のラビリンス
しかも家を出てきたのも小言から逃げるようにしてきたから、帰ったら相当怒られるかもしれない……。
家に帰るのがユウウツになりながらも私は一生懸命に走った。
チリンチリンと後ろからベルの音が聞こえてくる。
道の真ん中を走ってるわけじゃないのに、むやみに鳴らさないでよっ!
「急いでんの?なら、オレの後ろ乗れよ」
「えっ?!あ……」
キイッと私を追い越して目の前でブレーキをかけて自転車を止めたのは仁哉君。
驚いて立ち止まると、彼は笑った。
「遠慮しないでどうぞ」
「あ、ありがと……」