15歳のラビリンス
中学校生活も残り3ヶ月しかない。
それなのに、卒業まで私はジンとこんな風にして過ごさなきゃならないの?
私がジンに恋愛感情を持っている限りは『友達』にも戻れない。
やっぱり、あきらめるしか道は残されていないのかも。
ユウウツな気持ちは一日中消えてはくれなかった。
ジンの姿は体育の授業以来、見かける事はなく下校時間になった。
「深川」
ザワザワとしている下駄箱で、靴を履き替えていると名前を呼ばれた。
顔を上げると、そこにサトルが立っている。
「…呼んだ?」
「ああ」
サトルに呼び止められるなんて、普通じゃない。
もしかして、またジンに近づくなっていう忠告?