15歳のラビリンス
どうしてなんだろう?
拒否する事だってできたのに。
不思議と嫌悪感もなく、見えない手で引っ張られるようにして私は仁哉君の後ろに乗った。
「しっかりつかまってろよ!」
「うん……!」
力強くペダルをこぎだした仁哉君。
私、重くないかなって思ってると自転車はスピードに乗り始めた。
風がすごい心地よい。
仁哉君の明るい髪はサラサラと揺れる。
いつも見てる風景なのに、なぜかいつもと違って見えた。
ただ仁哉君の後ろに乗ってるだけなのに……。