１５歳のラビリンス

「出口を探してあっちこっちさまよってる感じ。こんな事、中学２年まで経験した事なかったし。今年になって初めて、将来の事とか、自分の進む道とか、いろいろな場所で言われるようになったじゃん？」


「そうだけど…」


「受験が終わって高校が決まったら１５歳の巨大迷路のゴールなんじゃない？もちろん、その先にはまだまだいくつもの迷路が待ってるとは思うけど」



さっきまで真剣な顔していた彩乃だったのに、表情が和らいだ。


１５歳の巨大迷路…か。


だったら私は寄り道しすぎてるんだな。


今の私はちゃんとゴールに向かって走れているのかな？



ゴールに立った時、そこで待っているものは一体何だろう？



「ってことで、ゴール目指して後少し頑張ろうね」


「あ、うん」



バンバンと私の背中をたたくと、彩乃は自分の席へ戻った。



今は走り続けるしかない。


出口が本当に存在するのであれば。