15歳のラビリンス


だけど、ゴールに向かって走り始めた私に思いがけない知らせが飛び込んできたのは終業式の日だった。




「美織ーっ!」



終業式の後、通知表を返され、受験生としての冬休みの過ごし方などを先生から説明があった後、下校となった。


忘れ物がないかと確認して昇降口を出ると、二階の廊下の窓からカンナが私を呼んだ。


何か忘れて出てきたのかと思ったけれど、カンナの顔はひどく青ざめたような顔。



「どうしたの?そんな顔色変えて」


「仁哉が…仁哉がっ!」


「え?」



カンナがジンの名を口にしたとたん、下校していた子達が足を止めて興味ありげに私やカンナのほうを見た。


12月のはじめにサトルとケンカした日から学校に姿を見せていなかったジン。


晃ちゃんに聞いても貴昭に聞いても、ジンが学校に来ていない理由はわからなかった。


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