15歳のラビリンス
「カンナ、それ、どういう意味…?」
「私にもよくわからないのっ!仁哉のケータイにかけても繋がらなくて…」
そこまで言うとカンナの姿は窓から消えた。
力が抜けて座りこんでしまったんだと思う。
それを見た後、私はクルッと踵を返して、ジンの家に向かって走り出した。
何で急にイギリスなんかに?
日本にはもう帰ってこないってどういう事?
何も知らない…!
何も聞いていないのに…っ!
信じられなくて、信じたくなくて、私は必死にジンの家まで走った。
そして、ジンの家のインターホンを連打する。
『はい?』
「あ、あの…っ!私、仁哉君と同じ学校の深川と申しますが…っ」
全力疾走してきたから息が続かない。