15歳のラビリンス


ジンの家の近くの公園に来て、ベンチに座った。


持っていた手紙の封を切る。


中に入っていたのは、ルーズリーフ1枚だった。


ルーズリーフに手紙を書くなんてジンらしいなってちょっと笑ってしまう。



手紙を広げると、1行飛ばしで書かれていた。


ジンの字を見たのは、別れを告げる手紙をもらった時以来。


その時の事を思い出して、切なくて胸が締め付けられる。



『美織へ』



最初の書き出しは別れの手紙と変わっていない。


苦笑いしながら私はその先の文字を目で追った。




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