15歳のラビリンス


「お母さん!何で姉ちゃんを叩くんだよ?!」



弟が私とお母さんの間に割って入った。


頬をおさえながら私はお母さんをにらむ。



「確かに姉ちゃんは成績落としたけどさ。それでも自分の人生なんだから、無理やり軌道修正しようとしなくてもいいじゃん。希望する高校に行って何が悪いんだよ?」


「アンタは黙ってなさい」



小学6年生に口を挟まれたくないのか、お母さんはそう言った。


だけど弟はやめようとしない。



「黙らないよ。どうせ3年後は俺にも同じ事言うんだろ?A高校がいいだの、どうだのって。俺はそんなの嫌だから。お母さんのために高校へ行くんじゃない。自分のために行くんだよ」



小学生だからこその発言かもしれない。


単純に言えばそう。


お母さんのために高校へ行くんじゃなくて、自分のために行く。



いい高校、悪い高校、そんなのお母さんが決める事じゃない。


私自身が決める事。

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