15歳のラビリンス


下校時間になり、昇降口へ向かう途中の事だった。



「美織ちゃん、時間ある?」


「こうちゃん?」



階段を降りていたら、段飛ばしで降りてきたこうちゃん。


3学期入って会うのは初めてだったからちょっとびっくりした。


しかも急いでいるような感じだし。



「うん。今日は塾ないし」


「ちょっと話があるんだけどいい?」


「うん。いいよ」


「じゃ、あの公園で」



あの公園。


ジンの家の近くにある公園。


私はうなずくと、先に行く事にした。


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