15歳のラビリンス
出会わなければ、きっと私は親の言う事をよく聞くまじめちゃんのままだった。
ジンが私を変えてくれた。
「ごめんごめん。帰ろうとしたら先生に捕まっちゃったよ」
しんみりしていると、こうちゃんが手を振りながら公園に入ってきた。
私はこうちゃんの方を向く。
「美織ちゃん、泣いてた?」
「泣いてないし。ただ、ここでいろんな事あったなって思い返してたら、ジンと出会ってからの事まで思い出しちゃって」
「ジンちゃんの事、怒らないで。ジンちゃん、ずっと美織ちゃんの事で悩んでた。手を差し伸べて、支えてやりたいのにそれが適わないのは辛いって。俺、うらやましいとまで言われたよ」
「どうして?」
「美織ちゃんと友達でいられるから。恋愛感情を持たなければ、ずっと仲のいい友達でいられたんだよなって」
私も同じ…。
カンナに対して持っていた感情と同じだ。