15歳のラビリンス
そんな中、彩乃が引越しする事になったなんて言ったものだから、さらに心が重くなる。
「やだなー、そんな顔しないでよ」
泣きそうな顔になってしまっていたらしい。
目の前の彩乃は慌てたように言いながら笑っている。
こんな顔になっちゃうに決まってるじゃん。
だって、小学校からずっと同じクラスで友達だったんだよ?
高校で別々になっても、またいつでも会えるって思ってたのに。
「高校の近くに引越しするだけだから。美織がW高校に受かってくれれば会えるよ」
「そっか…」
M学園高校とW高校は最寄の駅が同じ。
私がW高校に受かれば彩乃が引っ越しても会えなくなる事はない。