15歳のラビリンス


「それ聞いたら、何が何でも受からなくちゃってプレッシャーになるじゃん」


「いい刺激になるでしょ?…でも、美織はプレッシャーに負けないよね?」


「いやいや、結構緊張するよ?追い込んだのは自分だけど」


「そうじゃなくて。最強の神様がそばにいてくれるんでしょ?」



彩乃は笑いながらそう言って、自分の制服の胸ポケットをたたいた。


その言葉に私も笑顔でうなずく。



胸ポケットにはジンからもらったお守りが入っている。


2年3組の体育の授業を見たら、淋しくて心に穴が開いたような感覚だけど、遠く離れていてもジンの想いは私のそばにいてくれる。



同じ空の下で、ジンだって夢に向かって頑張っているのだから、私だけが負ける事なんか絶対に許されない。


私だって夢を叶えるために頑張らなくちゃ。


年下のジンに先に越されたりなんかしないんだから。


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