15歳のラビリンス


春はすぐそこまできているはずなのに、まだ空気は冷たい。


私は駅までの道を早歩きで過ぎていく。



「美織ー!」



駅につくと、改札口に彩乃と貴昭、こうちゃん、そしてカンナの姿まであった。


四人で一緒にいるなんて珍しい事だった。



「頑張って来いよ」


「落ち着いていきなよ?解答欄間違えて一つずつ答えずれてたとかナシだからね」



貴昭が言った後、こうちゃんが心配そうな顔でそう告げる。


何で二人とも経験者のような顔してるわけ?



「あのねー。私、あなたたちより先輩なんですけど?」


「だって美織ちゃん、ミスしそうだからさー」


「ジンがいたら同じ事言ってたと思うし」



この二人は、先輩を敬う事をしないのか!


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