15歳のラビリンス
彩乃とカンナのほうに向き直ると二人は笑顔だった。
「頑張りなよ。終われば誰にも文句言われる事はないよ」
「最初から頑張ってれば文句言われなかったんだけどね」
カンナの言葉の後にきつい一言を放った彩乃。
それだけは耳が痛いです。
「でも、それだけ仁哉の事が好きだって事だよね。周りが何も見えなくなるくらいに」
「…まあ、ね」
「後悔しないように全力でいってきなよ?」
「うん。いってきます」
四人に見送られて私は改札口を通過した。
こんなに応援してくれている人がいる。
だから私は頑張れる。
こんな風に、最初から親にも応援してもらえてたのなら、結果はまた変わっていたのかもしれない。