15歳のラビリンス
重い気持ちを引きずりながら学校へ向かった。
泣こうがわめこうが、受験生っていう毎日は何も変わらなくて……。
「おーっす、美織!」
「へっ?」
とぼとぼとやる気なさそうに昇降口へ向かってると、後ろから声をかけられたと同時にバシッと背中をたたかれた。
顔を上げると、そこにジンの姿がある。
「ジン……」
「早起きしてみるもんだな。まさか朝から美織に会うとは思わなかった」
「なにそれ、どういう意味?」
「朝からお前のマヌケな顔を拝めるとは思ってなかったって意味だよ!」
ジンはニヤニヤしながらそう言うと、走って逃げてしまった。
マヌケ顔……。
自分でわかってるけど、さすがに年下に言われると傷つく。