15歳のラビリンス
…………
……
日は落ちたけれど、ジンが公園に現れる様子はなかった。
会いに来るなんてやっぱり無理だったんじゃないかな?
公園のベンチに座りながらケータイをにぎりしめて私はため息をつく。
あの電話は夢だったんじゃないか……?
そう思って着信履歴を何度も見たけれど、ちゃんと知らない番号からの履歴は残っている。
「……騙されたのかも?」
なんかチャラそうだったし、私の反応をおもしろがっていたかもしれない。
人なんて時間がたてば変わるよね。
もしかしたら、ジンだって……
「……っ!」
走ってくる足音が聞こえて私は勢いよく立ち上がる。