15歳のラビリンス
慌てたように息を切らしながら、その足音のヌシは公園に入ってきた。
電灯で姿がよく見える。
「本当に来た……」
「何?疑ってたの?今からそっちに行くって言ったじゃん」
私の呟きが聞こえたのか、ジンは苦笑いをした。
2年前より身長が伸びて、顔立ちも幼さが消えている。
年下なのに、私よりも大人びて見えて、前よりもかっこよくなっていた。
「ただいま、美織」
「ばかものーっ!」
何も言わずにいなくなった事を悪びれる様子もなく、彼は笑って手を広げている。
涙をこらえる事なんかできるわけなく、泣きながら私はその腕の中にとびこんでいった。