15歳のラビリンス


私が登校する時間にジンがいるのも珍しい。


奴は朝が苦手だと言ってて、いっつも遅刻ギリギリだって話を聞いた事がある。



図書館で会った時はつけてたピアス、学校じゃ当たり前だけどしていないのか。


茶髪はそのまんまだけどね。




「……あ」



ふうっとため息をついて顔を上げた私。


さっきまであった、重苦しい気持ちがきれいになくなってる。



ジンが背中を叩いてくれたおかげなのか、どうなのかはわからない。


でも、本当に不思議ときれいになくなってる。



変なやつだけど……




私は彼に少し感謝した。


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