15歳のラビリンス
教室に行くとカンナはすでに来ていた。
「あ、美織!おっはー」
「おはよー」
「ねー。学校終わったら図書館で勉強しない?」
「え?」
カンナに言われてドキッとした私。
図書館で勉強……かぁ。
お母さん、きっとまた怒るんだろうなぁ。
でも、本棚の事とかテレビの事を思い出して私はため息をついた。
家にいたからって勉強に集中できるとは限らない。
「うん、いいよ」
私はカンナに笑ってうなずいた。