15歳のラビリンス
「美織ー。第一志望決めた?」
自分の席に着くと、前の席の彩乃が振り返って聞いてきた。
私は椅子に座りながら首を横に振る。
「そっかぁ。そうだよねー。まだピンとこないよねー」
「うん。でも、公立は確かだと思う……」
「そうなんだ?私は私立第一になるかもしれないなぁ」
そう言いながら彩乃はまだ悩んでる様子で前を向いた。
第一志望も視野に入れて勉強しなきゃいけない時期だってのはわかってるけど。
きっと、みんなもピンときていないはず。