15歳のラビリンス
「カンナは志望校決まった?」
「んー。私立かなー。まだわかんないけど」
二人で並んで歩きながら音楽室へと向かう。
カンナも何となくの志望校が決まり始めてる。
ピンときてないってみんな言うけど、もしかして本当は私だけなのかな……?
「何?次、音楽なの?」
「あっ!仁哉!」
道具をかかえこんでため息をついてたら、カンナがジンの名前を呼んだので私はドキッとして顔を上げた。
なんで、ドキッとするの……?
「オレはこれから美術室。つっても、3時間目も美術室だったから戻る途中だけど」
「へぇー」
興味なさそうに返事をするカンナ。