15歳のラビリンス

図書館での勉強会



学校から帰ると、お母さんはいなかった。


今日、パートの日だから帰ってくるの18時過ぎなんだと思う。



誰にも文句を言われずに、出かける準備ができるのは少し気が楽だった。


通学カバンから、出かける用のカバンに勉強道具を放り込む。



「あ、そうだ。過去問……」



思い出したように呟いて、机の戸棚を開けた。


綺麗にファイルしておいて役に立ったのは今回が初めて。


ていねいに、英語と社会と理科の過去問を取り出した。



「点数のとこ、破ったほうがいいのかなー」



あまり自慢できる点数ではない。


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