15歳のラビリンス
全て半分は超えてるけど、苦手な理科は58点という、人に見せられる点数ではない。
「ま、いっか……」
点数のとこだけ破っても、解答は間違いだらけなんだし。
ジン相手に変な見栄張っても仕方がない。
クリアファイルに三つの過去問を入れると、カバンに入れて私は自転車のカギを手にした。
「……」
だけど、またカギを元の位置に戻す。
何かを期待してるわけじゃない。
ただ……なんとなく、今日は歩いて行きたい気分だった。