15歳のラビリンス
「日記か……めんどくせー」
「日記なんだから最初は、夕飯に何を食べたとかそういう事から始めてみれば?」
「お前は何書いてんだ?」
「私?今日、あった事とか……」
「んじゃ、オレも日記に出てくるんだ?」
ジンが嬉しそうな顔をさせて身を乗り出してくる。
オレも出てくるんだ……って、小説じゃあるまいし。
今日あった事を書くのであれば、そりゃジンの事も書くけどさ。
別に嬉しそうな顔をするほどの事じゃないと思うけど……。
「んじゃ、オレも書いてみようかなー。ノートは日記帳みたいなのに書いてんの?」
「ううん。普通の大学ノート」
「じゃ、オレにもできそうだな。頑張ってみっか」
ジンはどこか楽しそうにそう言いながら、椅子に座ってまたコーラを一口飲んだ。