15歳のラビリンス
ため息をつくと、ジンが笑い出した。
「さすがに理科は日記書いても無理そうだしなぁ」
「無理。だから理科は捨てる!」
「今から捨てんなよ。よし、オレはこの美織の点数こえられるように頑張るか」
ええ、せっかく貸したんですから、全力で頑張ってくださいよ……。
「なあ、美織のそのシャープペン、書きやすそうだな」
「え?コレ?」
私が手にしていたのは白いシャープペン。
確かに使いやすいから、色違いのピンクのも持ってる。
「なあ、コレも書きやすいんだけど交換しねー?」
ジンが、手にしていた青いシャープペンを差し出した。
自分のと見比べて、私は戸惑う。
私の、そんなに高くなかったんだけどいいのかな?