15歳のラビリンス


ため息をつくと、ジンが笑い出した。



「さすがに理科は日記書いても無理そうだしなぁ」


「無理。だから理科は捨てる!」


「今から捨てんなよ。よし、オレはこの美織の点数こえられるように頑張るか」



ええ、せっかく貸したんですから、全力で頑張ってくださいよ……。




「なあ、美織のそのシャープペン、書きやすそうだな」


「え?コレ?」



私が手にしていたのは白いシャープペン。


確かに使いやすいから、色違いのピンクのも持ってる。



「なあ、コレも書きやすいんだけど交換しねー?」



ジンが、手にしていた青いシャープペンを差し出した。


自分のと見比べて、私は戸惑う。



私の、そんなに高くなかったんだけどいいのかな?


< 57 / 338 >

この作品をシェア

pagetop