15歳のラビリンス
「べ、別にいいけど……」
「よっしゃ。んじゃ、交換」
そう言って、ジンは青いシャープペンを差し出してきた。
サッカーやってる彼によく似合う、青く輝くシャープペン。
私の白いシャープペンと交換すると、彼はクルクルと回した。
「なーんか、頭よくなった気分」
「……じゃ、私はサッカーうまくなったような気分♪」
「バッカじゃねーの?」
私の言葉に意外そうな顔をしながら、ジンは楽しそうに笑った。
ドキッ……。
その笑顔は、15歳の私にとって本当に本当に心からまぶしく感じたモノだった。
きっと……こうして私はあなたに惹かれていったんだろうね……。