15歳のラビリンス
国語は84点だった。
社会と英語は70点台前半。
理科は得意な生物が試験範囲だったため、かろうじて60点台後半。
しかし、一番苦手な数学が38点という、今までにない点数をとってしまった…。
お母さんは数学が一番得意な科目だったため、数学を見る目は一番厳しい。
解答用紙をグシャッと握りつぶすと、私はカバンに放り込んだ。
ああ…家に帰りたくない…。
「はあああ…」
休み時間、トイレから出てため息をつきながら手を洗ってると、彩乃が私の後ろを通った。
彩乃の表情は私と違って、あまり試験の結果にダメージを受けたようなものじゃなかった。
「あや…」
声をかけようとしたけど、彩乃は手を振って誰かに駆け寄ってった。