15歳のラビリンス
私の貸した過去問と似たような問題が出たと思われる。
解答がほとんど同じだったから。
点数は89点だった。
「先生にほめられちゃったよ。お前よく頑張ったなってさ」
ちなみに、ジンの担任は理科の先生。
そりゃ、自分の担当する教化の点数がよければ先生は嬉しいか…。
「けど、他も頑張れってさ。英語、平均点以下だったしな」
「そっか…」
図書館でジンが英語の勉強をしているのは見たことがない。
きっと、一度も勉強せずに試験を受けたんだろう…。
「ま、頑張るよ。とりあえず、ありがとな、美織」
「あ、うん…」
ジンはそう言って笑顔で手をあげると、階段をあがってく。
だけど、思い出したように立ち止まり、振り返った。
「お前、今日、塾の日だよな?」
「え?あ、そうだけど…?」
今日は金曜日。
19時から塾だ。