15歳のラビリンス


学校が終わると、まっすぐ家に帰った。


帰りたくない気持ちのが大きかったけど、帰らないわけにいかないし。



…帰らないと、塾に行けないし…。




「テスト、どうだったの?」



ドアを開けたとたん、ただいまを言う時間さえもくれず、お母さんが私に気づいてそう問いかけてきた。


『おかえり』っていう言葉はないんだろうか…?



「…べつに…」


「別にじゃないでしょ?返ってきたのなら見せなさい」



手を出してきたので、私は仕方なくカバンを開けて、5教科全部の答案をお母さんに差し出した。



そして、慌てて自分の部屋へと駆け込んだ。


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