15歳のラビリンス
「美織、なんなの?この数学の点数は?!説明しなさいっ!」
玄関でヒステリックに叫んでるお母さんの声がする。
部屋に入られないよう、私はカギをガチャっと閉めた。
カバンを放り投げてベッドに横になったとたん、涙がじわっと浮かんできた。
…私、やっぱり受験生っていう言葉にピンとこないよ…。
空っぽの本棚、ヒステリックなお母さん。
顔をあわせれば勉強しなさいって言うお父さん。
学校や塾じゃ志望校がどうたらって話ばっかり…。
もう、そんな毎日飽きたよ。
中学校最後の年を、私はこんな息苦しいまま過ごさなきゃいけないの…?