15歳のラビリンス
「美織?!どこ行くの?!話は終わってないでしょっ?!」
「塾に行くのっ!」
「まだ時間じゃないでしょ?!」
「塾にテストの結果報告しなきゃならないし、進路についての相談もしておきたいからっ!」
カンカンに怒ってるお母さんを何とか言いくるめて私は家を飛び出した。
塾から帰ってきたらお説教されるんだろうなぁ…。
でも、今はそんな事どうでもいい。
ジンが待ってると思われる図書館へ一秒でも早く行かないとって思うばかりだった。
「ジン、ごめん!遅くなって…」
「そんなに急がなくてもオレは逃げねーよ。大丈夫か?」
図書館の前で自転車を停めてジンは待っていてくれた。
…いつものように優しい笑顔で…。